マイクロ光コム注入同期CWレーザーを用いたオール光型THz検出（2）: 光キャリアと変調サイドバンドのRFビート信号検出

摘要

次世代移動通信（6G）では、無線キャリアとしてTHz波の利用が検討されているが、既存の電気的手法では技術的限界（周波数上限）に直面する可能性がある。もし、THz波から近赤外光へのキャリア変換が実現できれば、既存の光通信プラットフォームがそのまま流用できる。我々は、この「オール光型THz検出」を実現するため、マイクロ光コムを光キャリアとして、電気光学ポリマー（EOP）変調器をTHz/光キャリア変換器として利用することを検討している。EOP変調器では、電気光学ポッケルス効果を介してTHz波から光への高効率キャリア変換が可能であり、CSR（carrier-to-sideband ratio）=56 dBが報告されている。一方、マイクロ光コム抽出モードのSNRは、ASEの影響で30dB前後に留まるため、このまま利用しても変調サイドバンドが生成できない。そこで、マイクロ光コムに高出力CWレーザー光を注入同期することにより、マイクロ光コムと同等な位相ノイズを有しながら高SNRのCWレーザー光を生成し、EOP変調器を用いたオール光型THz検出法に応用することを目指す。