音響解析における流体解析精度の影響の調査

摘要

音は流速の5乗から8乗に比例して急激に増大する性質を持っている．そのため空力騒音低減は幅広い工業製品において重大な課題となっている．流体音は流れの渦の非定常運動に起因して発生するため渦の運動の正確な予測は流体音の予測につながると考えられる．しかしながら．騒音の性質を明らかにするには音源である渦の非定常運動以外にも流体中での音の伝播を解析する必要がある．しかし流れ場と音場の代表スケールが異なることから，実験や解析で流れ場と音場を同時に解析することは非常に難しい．空力騒音に関する応用研究では流れ場と音場を別々に解析する分離解法が広く用いられており，低速で動く工業製品は．流れから発生する音の変動が流れの変動に比べとても小さいため工学的にも分離解法が一般的となっている．ここで層流剥離するブラフボディ周りの流れから発生する流体音を高精度に予測するためには，後流の大きな渦構造とはく離から遷移に至る過程を高精度に捉えることが音響解析において高精度な予測につながると考えられる，しかしながらこれらの影響について調べた研究例は殆ど無い，そのため今回遷移からはく離についてすべての過程を捉えられる角柱を対象に音源となる流体についての影響を調査した．