電磁誘導計測法を用いた固液二相流の局所的粒子分布計測

摘要

固液二相流は石炭や砂利などの水力輸送に代表されるように物質輸送現象と密接な関係がある．さらに，固液二相流は固液を含むその他の混相流の基礎としても重要な流れであり，工学的に重要である．固液二相流では，固相体積割合や固相粒子速度というパラメータが輸送能力，流動特性を特徴付けるものであり，これらのパラメータを計測し，制御することにより固相輸送能力の向上，また摩耗などによる故障，事故を防ぐことができる．固液二相流は複雑さゆえ様々な流動様式を有し，固相体積割合や各相の平均速度により摺動流などの独特の現象を引き起こす．これらの現象を把握するために固液二相流現象を理解することは重要である．これまでにも固液二相流の固相体積割合の計測法は，数多く提案，研究されているものの，どの計測法にも大小様々な問題点が存在する．例えば，X線を利用した計測法や光学的可視化による計測は断面的な固相体積割合しか測定することが出来ないといった問題や，配管設備や流体の性質などの理由により可視化が困難である．また，気液二相流の確立された計測法として，桑原らにより電磁誘導計測法を用いたボイド率の測定が報告されている．本研究では電磁誘導計測法を用いて，得られた誘導起電力より粒子径を計測することを目的とする．