PALSARデータによる森林抽出の可能性の検討

摘要

近年のリモートセンシングでは合成開口レーダの利用が様々な環境に関する情報抽出を可能にしている。特に雲に覆われることの多い熱帯雨林を観測する場合には昼夜を問わず、天候に左右されないSARは有利な手段として利用することができる。また、20世紀後半からの地球温暖化は重要なグローバルイシューとなっている。温暖化の原因はCO_2の排出であるが、樹木は光合成作用によってCO_2を吸収する機能があるが、伐採されると蓄積された炭素が再び二酸化炭素として大気に放出される。従って、正確な森林の分布と変化を定量的に把握する事が炭素循環の研究において大切な情報であるとされている。しかし、SARデータを使用して作成された森林図を振り返ると、光学センサーと同時に使用した場合が多く、夜間や曇天時の制約を受けてしまう。そこで、本研究ではPALSARデータのみを利用して森林と他の植生の識別能力を確認することを目的とする。