静電気力を利用した振動型MEMS ジャイロセンサ検出部の機械振動特性評価

摘要

角速度を検出する計測器であるジャイロセンサには、現在、1）回転体を内蔵し、慣性の法則とプリセッションを利用した機械式、2）リング状にレーザ共振器を形成し、サニャック効果で検出する光学式、3）気体を熱線に噴射させ、温度の変動によって検出する流体式、4）振動体に働くコリオリ力を利用する振動式、等が存在する。従来、これらのジャイロセンサは航空機や船の航法装置やミサイルなど軍事目的の分野で使われてきたが、近年、MEMS (Micro electro mechanical systems) 技術を用いた小型·低コストという特徴を持つMEMS ジャイロセンサの開発に伴い、デジタルカメラやスマートフォン、ゲーム機器等の種々の応用分野に広く利用されるようになってきた。振動型MEMS ジャイロセンサは、構造が簡素、摩擦構造が無いため長寿命、起動時間が短いという特徴を持っていることから、現在、MEMS ジャイロセンサの中心的なものとなっている。