上肢リハビリ支援システム「SEMUL」を用いた脳卒中患者用リーチング訓練ソフトの開発

摘要

脳卒中を発症した後遺症として，運動障害が残る患者が数多くみられる．過去のリハビリテーションでは脳卒中による運動障害のリハビリテーションは利き手交換，片手活動訓練など，健常側を訓練することが中心であった．しかし現在では，脳の可塑性の発見により慢性期であっても随意的運動の質，頻度を上げることにより麻痺が回復することが分かっている．現在リハビリテーションの現場では療法士の不足，療法士による評価の主観性などの問題を抱えている．そこでロボット技術·VR(Virtual Reality)技術を応用したリハビリ支援システムへの期待が高まっている．今回ソフト開発で使用する「SEMUL」もその１つである．本稿では，「SEMUL」用に開発したソフトの概要と評価法について述べる．