超音波ドプラ欠落補間へのシステム同定理論の応用（第2報）：左室流入血流への応用

摘要

医用超音波診断装置の普及により、心疾患などの診断が非侵襲的に比較的短時間で可能になった。最近では断層画像中の複数箇所を同時に血流計測する装置も登場し、診断効率の向上に寄与している。これらは便利な反面、速度レンジの制約やスペクトラム画像の劣化などの問題がある。速度レンジの制約を受けず、同一心時相で左室流入血流と左室流出血流を同時計測できるシステムを開発するため、画質劣化の少ない画像欠落補間技術を開発した。前回はシステム同定理論を応用した左室流出血流の画像欠落補間技術について報告した。今回は前回よりも波形形状が複雑な左室流入血流の画像欠落補間技術について報告する。