イリジウム/アモルファスSiO_2被覆触媒を用いたCOによるNO還元反応に関する研究

摘要

本研究室では，DPFの壁上にSiCナノ粒子により，厚さ約10μmのメンブレン層を成膜したDPMF（Diesel Particulate Membrane Filter）を提案してきた．このDPMFを構成するSiC ナノ粒子の表面はSiC_xO_yという組成式であらわされる非晶質の酸化物層に覆われている．この酸化物層中にシングルナノスケールの金属粒子を埋没させることでシンタリングによる粒成長を抑制し，高温条件でもその粒径を保つことが確認されている．本研究ではDPMFにおいて触媒金属のシンタリングが抑制されるという点に着目し，シングルナノスケール金属粒子によるSCR反応をできるだけ高温で実現することを試み，最終的にDPFによる酸化開始温度とSCRの反応温度を近づけることでDPFとSCRの一体化させることを考える．この構造においてはエンジンの排ガス中に含まれる一酸化炭素に加え，PM の酸化により生じる一酸化炭素を還元剤として活用できる可能性がある．また，DPMFではガスがメンブレン層を一様に流れるためNOの還元が効率よく進行すると予想される．本稿ではその第一歩として，先行研究においてNO還元に対して高い活性を持つことが明らかになっているイリジウムを担持させたDPMFサンプルを用いてNOのCOによる還元反応について基本的な特性について実験を行った．