ディーゼルパティキュレートフィルターにおけるアッシュ堆積時のPM酸化性能と評価方法

摘要

Diesel Particulate Filter（以下DPFと略す）．システムは，ディーゼルエンジンからの煤等の粒子状物質（PM）を含む排ガスをクリーンにする環境対応技術として世界的に必須となってきている．DPFシステムは，長期に渡るPM 捕集および酸化効率の維持と再生のための燃費軽減が要求される．DPFを長期に使用するとエンジンオイル中の成分に由来する不燃燃焼生成物（Ash）がDPF内に堆積する．このAshはDPFの圧損上昇をもたらすとともに，DPFに担持された触媒によるPM酸化の阻害要因となると考えられるが，これまでAshが堆積した場合のPM酸化性能への影響についての定量化はなされていない．また，Ash組成はさまざまな要因で変化するため，PM酸化性能を容易に比較可能とするために成分を代表させる必要がある．そこで本報は，PM酸化性能に対して市場Ashを代替可能な模擬Ashを決め，Ash層厚さに対するPM酸化能力を定量化することを試みた．