新規アンサンブル予測手法を用いたソフトセンサーの開発および予測誤差の推定

摘要

本研究では、時間差分モデルの精度向上とその予測誤差の推定を目的として、時間差分モデルによるアンサンブル予測を提案した。複数の差分間隔で計算された予測値を指数加重した値が最終的な予測値であり、それらの標準偏差が予測誤差の指標である。蒸留塔を対象としたケーススタディを通して、複数の時間差分の予測値を考慮することで予測精度が向上し、それらの予測値の標準偏差が予測性の指標となることを確認した。時間差分モデルを用いた予測値の標準偏差と実際の予測誤差の標準偏差との関係を定量化することで、新しいデータの予測誤差を推定することが可能となる。本手法を用いることで、モデルの再構築をすることなく、yの予測値を精度良く推定し、同時にその予測誤差の推定値を出力できることを示した。今回提案した手法は各種の回帰分析手法と併用して用いることが可能であり、汎用的に応用可能であると考えられる。本手法により、ソフトセンサーモデルのメンテナンスの低減が期待される。