小児医療におけるロボットを用いたプレパレーションの試み―ＣＴ検査における心のケア

摘要

現在の小児医療現場では、子供に与える身体的·精神的ストレスを最小限にすることが重要な課題となっている。その中で、チャイルド·ライフ·スペシャリスト（以下ＣＬＳと略す）が注目されている。ＣＬＳとは、アメリカ·カナダ·香港で認められる「国際資格」であり、医療スタッフの一員ではあるが、医療行為には一切関わらないため、子どもにとっては「嫌なこと、痛いことをしない安心できる存在」であり、医療者と子どもや家族との架け橋的役割を果たしている。ＣＬＳの仕事の一つとして、検査や手術時のプレパレーションがある。プレパレーション時に生き物感あるかわいいくまロボットを使用して、小児を惹きつけ、プレパレーションの目的である検査時の不安や恐怖感を緩和することができないかと考えた。また、日本におけるＣＬＳは未だ少なく、ロボットの導入により、ＣＬＳの仕事の負担低減又は代行することに寄与したいと考えた。本研究では、プレパレーションにいきなり入るのではなく、トランプゲームなどの遊びも取り入れ、生き物感あるくまロボットと小児が友達になった上で、ＣＴ検査プレパレーションを試みた。