心臓自律神経系活動と睡眠変数の関連性の評価

摘要

在宅での睡眠簡易測定法の提案として，多数の報告がなされているが確立した手法は存在していない.本研究では，夜間睡眠ポリグラフ検査（Polysomnography: PSG)を実施，睡眠中の心臓自律神経系活動と視察判定で得た睡眠変数との関連性について評価した.心臓自律神経系活動において，PSGで記録された心拍数と心臓自律神経系活動の指標の一つであるトーン-エントロピー法を算出して使用した.睡眠変数は，PSGで計測した生体信号からAASMの判定マニュアルに基づき視察で判定を行った.検討方法として，睡眠中の心拍数とェント口ピーの傾きと各睡眠変数との関連性についてピアソン相関係数を使用した.結果として，心拍数の傾きと睡眠時間，深睡眠の出現率で0.54, 0.61と相関関係がみられた.また，エントロピーの傾きと睡眠効率の間で0.72と高い相関関係がみられた.本研究結果より，夜間睡眠中の心拍数，あるいはエントロピーの傾きにより睡眠の質について推定の可能性が示唆された.