車線変更準備時の認知的ディストラクションによる視線行動への影響

摘要

本研究では，大型トラックにおけるドライバの運転行動を考える．近年，大型トラックへの速度抑制装置の装着が義務付けられているが，車両によって最高速度が微妙に異なることもあって，小さい相対速度でトラックがトラックを追い越すケースがある．実際の運転をモニタリングした調査では，トラック同士の追越が頻繁に行われていることも観測されている．小さな相対速度で追越が行われるようなときには，とくに，追い越される側のドライバから見えにくいところに追越車が比較的長時間留まることもある．そのようなときに，追い越されている方が新たに追越を開始しようとすると，事故リスクが高くなる．したがって，トラックで追越をしようとするときは，周囲の状況への注意が特に重要である．