複合変調フォトニック結晶レーザーによる高出力・高ビーム品質２次元ビーム走査の実現とその応用

摘要

フォトニック結晶レーザーは、2 次元フォトニック結晶のバンド端共振作用を利用した、大面積コヒーレント動作が可能な面発光型半導体レーザーである。本レーザーは、面垂直方向のみならず、フォトニック結晶の格子点の位置を変調することで、任意の2 次元方向へビームを出射することが可能である。最近、この変調フォトニック結晶において、格子点の位置のみならず、格子点の大きさをも同時に変調すること（図1(a)）が、高出力かつ高品質なビームを出射するために重要であることが、ナノアンテナ理論の構築を通じて見い出された。このフォトニック結晶レーザーは、「複合変調フォトニック結晶レーザー」と名付けられ、本レーザーをマトリックス状にアレイ化したチップ（図1(b)）が開発された。アレイチップを形成する各エレメントレーザーは、高出力（>0.7W）かつ回折限界に近い単峰な高品質（<1°）のビームを様々な方向へ出射可能で、アレイチップをマイクロコンピュータで駆動制御することで、非機械式かつオンチップな2 次元ビーム走査が実現された。