沈殿法による酸化亜鉛粉末の合成とその溶解挙動

摘要

金属酸化物の化学的耐久性に対しては従来から多く の研究が行われてきた。リサイクル技術も考慮され、 水や酸等に対する耐久性において化学組成や熱処理等 が及ぼす影響に関する研究報告が多い。 一方、金属酸化物粒子の合成法の一つである沈殿法 では、常温でも目的の結晶相が形成されることがよく 知られている。酸化亜鉛（ZnO）の沈殿法の研究で、 二種類（金属塩と塩基）の水溶液の混合·滴下の手順 を換えた時、目的のZnO または中間体が得られる。熱 処理を施した後には中間体がZnO 相に転換された1)。 本研究においては、ZnO 粉末の沈殿法を対象にし、 亜鉛塩と塩基の水溶液の混合法を主なパラメータとす る。さらに熱処理が合成粉末の酸に対する耐久性（溶 解挙動）に及ぼす影響について報告する。