TMAHを用いた逆沈殿法による易焼成カルシア添加酸化セリウム微粉末の合成

摘要

酸化セリウム（CeO_2:セリア）は自動車用触媒·紫外線吸収剤·ガラス研磨剤などとして、また将来の電力源である固体電解質型燃料電池の電解質用材料としての利用が期待されている。 特に希土棟を添加したセリアは、安定化イットリア（YSZ）に比べて酸素イオン導電性が良好であることから関心を集めている。 そのため多くの研究者達によって、水熱法·ゾルゲル法·沈殿法などの様々な方法を用いた焼結性が良好で微細なセリア粉末の合成が就みられてきた。 例えば水熟法は微細粒子の作製法として古くから利用されており、報告例も多い。しかし、粉末特性が温度や圧力、さらには合成時に使用する溶媒の種板や量などの影響を受け易く、その制御が難しい。 また、エチレングリコールやシュウ酸を用いたゾルゲル法による合成例も数多く報告されているが、熱分解時に細心の注意が必要であり、工程も複雑である。 これら，の粉末合成法に対して沈殿法は、アンモニアや尿素などを用いる古典的な粉末合成法ではあるが工業的にも多用されており、導電性に優れる希土類含有セリアもこの方路によって作製されてきた。