タイル模様を利用した大型構造物の全視野変位計測法の開発

摘要

近年、余弦波や矩形波模様を利用して構造物の微小変位分布を簡便かつ高精度に計測できるサンプリングモアレ（SM）法が開発された〔6〕。SM法は、周期的な模様を付与した測定物を変位前後で撮影し、位相解析より変位分布を高精度かつ高速で求めることができる。今までSM法はカメラで撮影する際に生じるランダムノイズの影響を受けにくい余弦波や矩形波模様を付与して計測を行っていた。そのため、タイルなどの構造物にすでにある周期的な模様を利用した計測では、模様を付与する必要がなく便利であるが討測誤差が大きくなるという問題点がある。そこで、タイル模様に対してランダムノイズの影響を受けにくい新たな変位計測手法を提案する。本研究では、シミュレーションと実際のタイル模様を用いた変位計測実験を行い、同一の撮影画像に対して従来のSM法と本提案手法での解析結果を比較し、本手法の有効性を示す。