タイル模様を利用した大型構造物の全視野変位計測法の開発

摘要

本研究では，タイル模様に対してランダムノイズの影響を受けにくい新たな変位計測手法を提案する．提案手法は，タイル模様は高次の周波数成分を含めたフーリエ級数により高精度に表現されることに着目し，従来のサンプリングモアレ法で変位分布を算出する際に用いられるモアレ縞の基本周波数成分に加えて，高次の周波数成分も用いることにした．始めに，シミュレーションによりその効果を確認し，次にタイル模様を用いた変位計測実験を行なった．同一の撮影画像に対して従来のサンプリングモアレ法と本提案手法での解析結果を比較し，本手法の有効性を示した．また，望遠レンズを使用して数十メートル離れた位置からの屋外計測実験を行い，屋外計測では室内実験と同等の精度を有するかを検証した．