移動情報を考慮した駅の消費力を算出する研究

摘要

東日本旅客鉄道株式会社（以下、当社）は鉄道事業だけでなく、駅構内の商業施設の開発や不動産事業などの生活サービス事業にも携わっている。どの駅を開発するか調査する際は、当該駅の利用者の情報（例えば、利用時間帯、性別、年齢、入場駅など）を知ることが重要であるが、現在、当該駅の流出?流入を加味した指標は少ない。本研究では、当該駅がどれぐらいの消費をもたらす可能性があるかを表す指標として、消費ポテンシャル値を提案する。これは、駅の利用者（居住者＋訪問者）、および年間所得情報を組み合わせた新しい指標である。また、本研究内では、将来の消費ポテンシャル値を予測する手法を検討し、開発駅の選定に役立てることを目指した。そして、首都圏の駅について消費ポテンシャル値と他の関連する指標を比較することができるツールを開発した。このツールを使うことで、任意の駅間でさまざまな指標を並べて比較することができる。また、実際の人の動きを考慮した新しい指標で各駅を評価することができるため、利用時間帯、性別、年齢、入場駅など、より細かい粒度で駅を分析することができる。従って、本研究での成果により、お客さまのニーズにより適合した商業地域の開発に寄与することができると考えている。