拡張現実を活用した保全業務支援ツールの開発

摘要

原子力発電所においては，安全に関する設備が増加したことや，米国で運用されている原子炉監視プロセス（ROP ： Reactor Oversight Process)を参考とした新しい検査制度への見直しが実施されるなど，保全業務に関する環境が変化している.検査制度の見直しに対する事業者の対応として，作業員の誤解や手順の見落としによる不適合の発生や，現場での手書きの記録を作成，電子化する時の誤植等ヒユーマンエラーの発生を防止する仕組みが必要とされる.また，発電所における安全上の問題を発電所の関係者が自発的に発見·収集していくためには，発見へのインセンティブと併せて気づき事項を容易に収集·記録する仕組みが必要とされる.