静肅性向上を目的としたインボリュート·サイクロイド合成歯形歯車ポンプの開発

摘要

歯車ポンプは，簡単な構造と優れた信頼性を持ち，小型で高圧·高揚程を実現できることから幅広く利用されている.その用途は幅広いが，都市においては超高層建築の機械室への燃料供給のために歯車ポンプがしばしば利用されている.一方でポンプの運転により生じた振動が配管を通じて伝播し，建物内の思わぬ場所に騒音を生じさせることがある.本研究では，この問題の解決あるいは低減を目的として，インボリュート·サイクロイド合成歯形歯車ポンプを試作した.過去の研究よれば，インボリユート·サイクロイド合成歯形歯車をポンプに用いると，一般的なインボリュート歯卓に比べて流最を大きくすることができる.従って，同等の流量であればポンプの回転速度を低下させることができ，耳障りな高周波音の低減が期待できると考えた.また，試作ポンプは既に製品化されている一般的な外接歯車ポンプの歯車のみを更新するのみにとどめることで，製品体系の変更やケーシングの再設計·治具変更を不要として，導入コストの低减を図り実用化に配慮した設計とした.