表面テクスチャリングによる庫擦異方性発現とそのメカニズム

摘要

自動車用無段変速機(Continuously VariableTransmission ： CVT)は変速比を無段階に変更することで内燃機関エンジンの効率が向上し燃費改善が可能となることから注目されている.CVTのさらなる高効率化のためには，伝達損失の主要因であると考えられる金属ベルトのすベりを抑制し，ベルト-プーリ間の摩擦損失を低減することが有効である.一方で，CVTはプーリ面の径方向にすべることで変速を行っているため，すべり方向によって必要となる摩擦特性は異なる.そこで，CVTのプーリ面に摩擦異方性を発現させる手法として，表面テクスチャリングの適用を考えた.本研究の目的は，プーリ面に表面テクスチャリングを施すことで摩擦異方性を付与し，摩擦特性を向上させることである.そこで，CVT用トランスミッションオイル潤滑下における表面テクスチャリングによる摩擦異方性発現調査のためテクスチャサンプルを用いた摺動試験を行い，真実接触状態の変化に着目した解析モデルを考案した.