期限付き建築物の安全性評価に関する考察

摘要

期限付き建築物の設計荷重は，恒久建築物の設計荷重 低滅を低減できることから，災害時の応急仮設住宅等短 期間使用する構造物については期限付き建築物として 建設されることがある.しかし，恒久建築物も期限付き 建築物も，建設後荷重がいつ起こるかわからない状態で あるという条件は同じであるので，どのくらいの危険性 があるのかを把握しておくことは大切である.また設計 荷重を低減して設計した場合，中程度の荷重であっても 損傷を受ける可能性があり，損傷を考慮した構造物の状 態の想定が必要であり，大きな地震が起こった場合の状 態把握も必要である.本研究では損傷状態も含む多段階 の状態を考慮する事ができるマルコフ過程を用いて，損 傷が生じてからの状態変化を表し，構造物が設置期間中 受ける荷重を考えた安全性の検討を行った.