アルミナ質不定形耐火物の微細組織に及ぼす熱処理の影響

摘要

製鉄所において、溶鋼を鋳造場所まで運搬し、かつ鋼を鋳造するための容器として溶鋼鍋が用いられている。溶鋼鍋の内部は1500°C以上の高温となり、さらに溶融スラグの浸食にさらされるなど、非常に過酷な環境となっている。アルミナーマグネシア質不定形耐火物は優れた耐熱性や耐食性をもつことから、溶鋼鍋の湯当たり部用炉材として使用されている。しかし、この不定形耐火物はアルミナセメント由来のカルシウムアルミネート（CA）から生成するCaO·6Al_2O_3（CA_6）結晶相によって、体積膨張、気孔率の増加、微細組織の変化が引き起こされるが、その詳細については十分解明されていないのが現状である。そこで本研究では、出発原料の粒子径、、添加剤の効果などの観点から、CA_6結晶相の生成挙動を検討した。