複数のマイクロフォンを計測空間に配置して音源位置を推定する音源定位の技術は、人物·動物·工作機械のモニタリングや、遠隔会議システムなどの分野での利用が期待され、さまざまな研究がなされてきた。当研究室ではオフィスでの空調·照明設備の効率化や、商業施設での顧客の動線データの収集を目的として、分散型マイクロフォンアレイへの音の到来時間差(TDOA:Time Difference Of Arrival)に基づいた、屋内における人物の位置推定技術を提案してきた。計測空間において人物が発する歩行音や発話音声に基づいた位置推定システムは、比較的容易に実現可能なカメラの画像情報に基づく位置推定システムに比べて、暗所での利用やプライバシー保護の観点で優れている。そこで本研究では、発話音声や歩行音が複数混在する環境に適した、3種類の音源定位手法を提案する。また、複数のスピーカーを用いた実機実験を行い、3つの提案手法の評価を行った結果について述べる。
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