二次医療圏における夜間救急医療モデルの構築と医療サービスの評価·分析

摘要

近年，都市部において，夜間救急搬送患者の医療機関による不応需が問題になっている．医療機関が患者収容に応じられない原因としては「専門外」，「手術中·処置中」，「ベットの満床」，「医師不在」等が挙げられている．医療機関による不応需の問題は，救急搬送時間の遅延を引き起こし，患者の予後を左右する重要な因子の一つと成りうるため，早急な改善が必要である．このため，多くの都市，地域が夜間救急医療システムの改善に取り組hでいる．特に，地域内の病院群が共同連帯して，輪番制方式により夜間における入院機能を確保することを目的とした病院群輪番制は，既に数多くの地域で導入されているが，その制度の実態は様々であり，十分な効果を上げられていない[3]．今日，病院群輪番制の更なる充実をはじめ新たな夜間救急医療システムの構築が求められている[4]．