アントラセン誘導体を可視光レドックス触媒とした光脱炭酸反応

摘要

光レドックス触媒を用いた光反応は、穏やかな条件でラジカルなどの活性中間体を生成させることができ、幅広い官能基変換が可能である点から近年注目を集めている。本研究室では光レドックス触媒反応を用いた紫外光照射での様々なカルボン酸の光脱炭酸反応によるラジカルの生成、続くアルケンへの付加反応を報告している。 これまでの光脱炭酸反応では、紫外光により励起できるフェナントレン (Phen) や 1,4-ジシアノナフタレン (DCN) などの光レドックス触媒を用いてきた。本研究では 可視光での反応開発を目的として、可視光触媒であるアントラセン誘導体を合成し、光脱炭酸反応へ用いた。