電子顕微鏡による接着界面解析と接着メカニズムの解明

摘要

省エネルギー、低炭素社会の実現に向け、自動車等輸送構造体の軽量化が取り組むべき課題と、なっている。アルミニウムやCFRP等の軽量部材を適材適所に組み込hだマルチマテリアル構造では、従来の溶接接合が灘しく、接着接合が有望な接合方法と考えられている。しかし、高い安全·安心が要求される分野で接着を導入するには、基本的な接着現象をより深く知る必要がある。「接着」(Adhesion)とは、「2つの物体が接した時に互いを引きつける現象」であり、材料、デバイス、生体など様々な分野の現象が含まれる。しかし、我々がここで取り組む課題は、構造体を組み立てる際に部材を接着剤で接合したり、樹脂材料と金属を直接接合したりする接着におけるメカニズムの解明であり、(Adhesive)Bonding 、である。接着のメカニズムでは、古くから機械的接着（アンカー効果)、化学的接着、拡散着などと整理されているようであるが、このような単純な分類で、接着接合に安全·安心がもたらされるとは考えられない。