生物応答試験を用いた排水の評価手法のパイロット事業結果（３） 自動車部分品製造工場排水への毒性同定評価の適用

摘要

平成31 年3 月に環境省によって作成された「生物応答試験を用いた排水の評価手法とその活用の手 引き（中間とりまとめ案）」では、生物応答試験を用いた排水評価手法の主な課題として、生物影響が 検出された際の原因究明調査や影響低減策についての知見を蓄積することが挙げられた。米国 EPA の ガイダンス文書は、毒性削減評価（Toxicity Reduction Evaluation; TRE）やその中に含まれる毒性同定評 価（Toxicity Identification Evaluation; TIE）の一般的な手順や技術的な解説を示すとともに、1970～1990 年代に実施された事業場の事例を紹介しているが、現在の我が国におけるTRE/TIE の実施事例は少な く、広く共有されていない。そこで我が国における原因究明調査事例の知見を蓄積するために、パイロ ット事業において自動車部分品製造工場（G およびH 事業場）の排水に対し、生物影響の原因究明調 査を実施した。