ザンビア共和国カブエ地域における資源採掘に起因した鉛汚染の実態 解明と対策の検討：環境化学のその先へ

摘要

鉛は精錬や加工の簡便性から古代から現在に至るまで広く利用されており、産業において重要な金 属である。一方、ヒトや動物の体内では種々の毒性を示すことが知られており、神経毒性に関連した犯 罪率の増加や、血液毒性に起因した貧血による生産性の低下、さらには医療コストの増大などが社会 的問題となる。鉛汚染および鉛中毒は、環境·保健·産業·経済領域に跨るクロスカッティングイシュ ーであり、各分野からの取り組みが進められている一方、根本的な問題解決事例は極めて稀である。