多環芳香族炭化水素類から見た日本のいくつかの都市の燃焼PM 排出特性

摘要

都市大気環境の悪化が大きな問題になっており，WHO は世界で毎年数百万人がPM2.5 等 の大気汚染で死亡していると警告している。都市大気中PM の主な由来は，自動車排ガス粉 塵や工場，石炭暖房等の排煙（煤），土壌（黄砂や火山灰も含まれる）や道路表面末やタイ ヤ末，ガス状物質から二次反応で生成した粒子などである。このうち，燃焼由来PM は発が h性や変異原性を有する多環芳香族炭化水素（PAH）やニトロ多環芳香族炭化水素（NPAH） を多く含hでおり，健康影響の観点からもその発生と挙動に大きな関心が寄せられている。 大気中にそれぞれの発生源由来のPAH，NPAH やPM がどれだけ存在するかがわかれば，発 生源対策や疾病予防対策などを効果的に講じることができる。