誘導結合型磁化プラズマ容器側壁近傍における電子エネルギー利得機構（2）:シース電界形状と磁界印加方向が利得機構に及ぼす影響のモンテカルロ解析

摘要

誘導結合型磁化プラズマの電子エネルギー利得機構について、モンテカルロ法により微視的な電子運動に基づいて解析した。E_(rf) × B ドリフトが器壁に向かうとき、円筒容器側壁近傍のシース電界と磁界による周方向のE_(sh) × B ドリフトはErfの加速方向と一致するため、この半周期間は加速フェーズとなる。一方、電界交番後はE_(sh) × B ドリフトは減速方向に向かうため減速フェーズとなるが、E_(rf) × B ドリフトが器壁に向かう加速フェーズにE_(sh) × B ドリフトが強まるため、衝突散乱を考慮すると、後続する減速フェーズが妨げられ先行する加速フェーズが優勢となることでエネルギー利得は統計的に正となる。