車載チップ向けナノチューブ／ナノ粒子ペースト複合材料の開発

摘要

カーボンナノチューブ（Carbon nanotube: CNT）は、ダイアモンド並みの高い熱伝導率[1,2]と従来の配線材料である銅を凌駕する優れた電流密度耐性[3]を有し、次世代の電子材料の候補として期待されている。近年、車載パワーモジュールへのSiC 素子導入に伴い、配線や放熱材料に対する耐熱性の要求が高まっており、接合材料である半田の置き換えとしてCNT 適用の可能性が検討されてきた。その一方で、放熱材料としては樹脂に混ぜることでシート化する報告はなされているものの[4]、低い熱伝導性からは本来の特徴を活かしているとは言えず、また樹脂との組み合わせを考慮すると電気特性も期待できない。本研究では、車載用途を想定した高温下での利用を想定し垂直配向した多層CNT 接合構造を作製し、さらに界面における熱抵抗及び電気抵抗の低減のためナノ粒子ペーストを適用しその効果を検証したので詳細を報告する。