屈折率センシング光コムを用いた液体サンプルの温度?濃度同時計測(2): スペクトル計測による温度?濃度の算出

摘要

屈折率測定は物質の状態を評価することにおいて重要な物理量である. 我々は, 液体屈折率を高精度計測するために, マルチモード干渉（MMI）ファイバーセンサー内蔵型光コム共振器を用いた屈折率計測手法を提案している[1]. この方法では, MMI ファイバーセンサーの屈折率依存性スペクトルシフトと共振器ファイバーの波長分散を利用して, 屈折率変化をRF 周波数変化に変換して計測することにより, 高精度計測を実現する. 一方, この手法では, 液体サンプルの温度を一定に保ち, 濃度変化のみに依存する屈折率変化を測定していたが, 液体サンプルに含まれる残留温度や温度コントローラの精度により微小な温度変化に伴う屈折率変動を無視できない. そこで本手法では, 従来法で得られるfrep 信号測定と同時に光スペクトル測定を行うことで, 2 つの信号を同時検出し, それらの変量からサンプル濃度および温度変化を独立して測定する手法を提案する.