ポリアリレート繊維シートにより裏面補強した鉄筋コンクリート版の耐爆性能に関する実験的研究

摘要

爆発等に起因する衝撃荷重を政治·経済·運輸·エネルギ等に関係する重要構造物の設計において考慮の対象とし，より高い安全性を確保することの必要性が生じている.特に，接触·近接爆発を受ける鉄筋コンクリート（以下，RC)版の損傷を考える場合，コンクリート片の飛散による2次被害防止の観点から，反射引張応力波に起因する裏面はく離（スポール）を抑止することが設計上の重要課題と位置付けられる.既存RC版のスポール抑止を目的とした補強方法としては，引張抵抗やエネルギ吸収性に優れた素材による裏面補強が有効になるものと考えられるが，補強作業の迅速化の観点から，重機等を用いることなく手作業により施工可能な補強技術の適用が望まれる.この面で，昨今より，連続繊維シートにより裏面補強したコンクリート板の耐爆性能に関する検討が行われ，その良好な耐爆補強効果が確認されている2).