空気潤滑法で生成される泡を用いた海面のアルベドの変化

摘要

近年、地球温暖化対策として強制的に地球を冷却させるジオエンジニアリングが注目されている。Gatebe et al．（2011）は、船が通過した後に残る泡の筋道（航跡）の反射率から、地球放射強制力が-0.14mWM~(-2)と見積もった。一方、現在、空気潤滑システムが大型運搬船3隻に搭載されている。これは、燃料削減を目的とし、船底から泡を放出し船底と海水間の摩擦を減らすものである。図1はその実船実験（児玉ら2002）のうち、左舷のみ空気潤滑法を実施している場合を船尾から撮影した画像である。この画像から、空気潤滑法で生じる泡は航跡に比べ、光散乱強度が強いことが予想でき、より地球放射強制力を減じることが期待できる。本研究では、空気潤滑法で生成される泡のジオエンジニアリングの効果を考察するため、この泡と海面のアルべドの変化について調べた。