GOSATの成果と後継ミッションへの展望

摘要

2009年1月23日に打上げられた温室効果ガス観測技術衛星GOSAT（Greenhouse gases Observing SATllite）は、温室効果ガスの全球濃度分布を観測して、吸収排出状況の把握を行い、温暖化防止への国際的な取り組みに貢献することを目的とした、宇宙航空研究開発機構（JAXA）、国立環境研究所（NIES）、環境省の共同プロジェクトである。GOSATは、大気中の二酸化炭素およびメタン等を、全球56，000 点を3日間で観測する。2009年4月から定常観測を始めて、現在4年以上のデータを取得している。搭載センサはTANSOと総称され、温室効果ガス観測センサ FTS（Fourier Transform Spectrometer）、および、雲·エアロソルセンサCAI（Cloud and Aerosol Imager）で構成される（図1）。PTSは、太陽光の地表面反射光（0.76，1.6，20μm）および大気と地表面の熱放射光（5.5-14.3μm）を0.2cm~(-1)の波長分解能で分光測定し、アルベド30%の地表面観測時に信号対ノイズ比300以上を実現している。CAIは、紫外から短波長赤外までの空間分解能500mを有しており、FTSの10km視野内の雲およびエアロゾルの情報を取得する。