半導体マイクロ波加熱装置によるサセプタ バイオマスの急速熱分解

摘要

バイオマスの急速熱分解は被加熱物質の低い熱伝導性が課題であり、非常に大きなエネルギーが必要とされる。これまで微粉化や熱伝導性の高い物質混合による熱伝導の改善が試みられてきたが、コストや手間がかかる。マイクロ波加熱を用いることにより、バイオマス内部から直接加熱し、低温·短時間·省電力でバイオマスチヤ一の製造が可能となると期待される。マイクロ波加熱は、物質と直接相互作用して加熱することから、内部から均一かつ急速に昇温が可能である。既往のマイクロ波を用いたバイオマスの熱分解反応では、反応低温化や配管内部のタール閉塞の防止などの利点が報告されている。一方、バイオマスは誘電損率が低く、従来のマグネトロンとマルチモードキヤビティを用いたマイ クロ波装置では加熱が難しく、炭素やSiC、鉄など のマイクロ波サセプターや、高出力のマイクロ波を照射する必要があった。