アルカリ性水溶液中における溶融アルミニウムめっきの腐食挙動に関する電気化学的検討

摘要

1) Ca(OH)_（2aq) 中における溶融アルミニウムめっきは，pH が12.10 よりアルカリ性側では溶解するが，12.10 より中性側では不働態化する．2) Ca(OH)_(2aq) 中にNaCl が共存する場合，溶融アルミニウムめっきの不働態化は阻害される．3) 溶融アルミニウムめっきのAl-Fe 合金層の自然電位は，Al 層と鋼素地の中間に位置して，鋼素地の犠牲陽極として機能する．4) 塩類環境におけるAl-Fe 合金層の耐孔食性はAl 層に比して高いため，鋼構造部材に対してAl-Fe 合金層による高い防食性が期待できる．