土石流によって生じる河床地盤振動の特性を明らかにするための個別要素法を用いたアプローチ

摘要

土木研究所において振動検知式土石流センサーの開発が行われるなど，振動センサーを用いて土石流の規模や発生回数，移動速度の推定がかねてより行われている.大角ら(2006)は，継続時間や周波数特性に着目して，土石流の振動を地震やノイズと区別することを試みているが,その振動の特性や成因にまでは言及されていない.一方，現在までに数多くの土石流シミュレーションも行われているが，河床はせh断抵抗力，侵食?堆積による諸量の交換境界として定式化されているに過ぎない.MPS法、SPH法、個別要素法(DEM)といった粒子をモデル化した手法においても，陽に河床をモデル化している例は見当たらない.そこで，著者らは，土石流によって生じる河床地盤振動の特性や成因を明らかにすることを目的として，個別要素法を用いたアプローチを試みた.