固液液三相粒子分散系のレオロジー特性の解析

摘要

サスペンションの連続相と混和しない流体を添加す ると，流動性が失われ，ゲル状に転移することがある。 これは，添加した流体が粒子間を液架橋することによ り，強固なネットワーク構造を形成するためだと考え られている。この三相粒子分散系をキャピラリーサス ペンションと呼ぶ 1) 。キャピラリーサスペンションは， 二相系のサスペンションと比較して，顕著に高い粘性 や降伏応力など，特異的なレオロジー特性を有する。 近年，キャピラリーサスペンションを粒子分散系のレ オロジー特性の制御技術やその特異的なレオロジー特 性を産業応用するための研究がいくつか行われている。 しかしながら，レオロジー特性に対する定量的な予測 技術は未だ報告されていない。本研究では，キャピラ リーサスペンションのレオロジー特性を予測可能な理 論解析モデルを構築した。また，得られた実験結果と 理論解析により，レオロジー特性の粒子径依存性につ いて，考察を行った。