触媒層中でコアシェル化反応を行う PEFC 用電極新規作製法に おける白金析出挙動

摘要

環境負荷の少ない発電システムとして、固体高分子 形燃料電池(PEFC)が注目されている?PEFCのカソード として一般に用いられるPtは希少で高価なため?Pt使用 量の削減が求められている。近年、低Pt触媒として? 非Ptのコアに薄いPtのシェルで構成されるコアシェル 触媒が注目されている1) ?通常、炭素に担持したコア シェル触媒 M@Pt/C は、 Cu?UPD(Underpotential deposition)によってCuを異種金属(M)に単原子層析出さ せ、その後表面制御還元 (SLRR: Surface limited redox replacement)を用いてCuをPtに置換することで作製され ている。この方法は通常グラッシーカーボン電極 (GC)上で行われ、バッチ当たり数十μgしか生産するこ とができない。大量生産可能な方法についていくつか の研究が報告されている2,3,4) が、反応領域は電極の表 面に限定されており、生産?度を抑制している。また、 gオーダーで作製した触媒を用いたMEA（膜電極接合 体）で発電した場合、Pt質量活性が低いと報告されて いる。それに対して、我々は触媒層をPd@Pt/Cから製 ?する代わりに、予めPd/Cコア材料から作製した触媒 層中でCu-UPDとSLRRを行うことによってPd@Pt/Cの 触媒層を製?する方法を提案した5) 。製?コストの低 減が期待されるこの方法を用い、コアシェル触媒を従 来の方法と同じレベルで製?することができたが、触 媒層の表面にPtの異常析出が観察された?そこで、本 研究では?触媒層中でコアシェル化反応を行う際、Pt 析出挙動に及ぼすPt溶液濃度の影響を明らかにし、Pt の異常析出を抑制して電極性能を改善することを目的 とする。