カーボンナノチューブとMnO2の複合化による 電気化学キャパシタ電極開発

摘要

電気化学キャパシタは高出力蓄電デバイスとして 注目されている。容量向上のため、活物質の酸化還 元反応を利用した擬似容量キャパシタが研究されて いる。高容量を発現する金属酸化物の中で、MnO2は 安価で低環境負荷であり活物質として有力である。 しかし導電性が低く、高導電性材料との複合化が必 要であり、また MnO2の酸化還元反応は表面近傍に 限られ、MnO2の高比表面積化が必要である[1]。 我々は流動層で合成した数層カーボンナノチュー ブ(CNT)[2]の自立膜中に、MnO2粒子を電着して複合 膜を作製し、高容量を実現した[3]。さらに高過電圧 のパルス電着法にて MnO2粒子を数10 nmへ微小化し たが、結晶性が低下し容量も低かった。本研究では、 MnO2粒子の微粒化と結晶性の両立を目的とする。高 過電圧を瞬間的に印加し、MnO2粒子を CNT 上に高 密度に核発生したのちに、低過電圧で成長すること で、高レート特性と高容量の両立を目指した。