フッ素系溶媒を用いた溶媒蒸気ァニールによるポルフィリン誘導体薄膜 の表面形状および分子構造制御

摘要

高効率な有機薄膜デバイスを開発するためには、膜の連続性を維持したうえで、高い結晶性お よび高い分子配向を目指すことが重要である。我々の以前の研究[1]では、低分子有機半導体材料 の1つであるzinctetraphenylporphyrin (ZnTPP)の塗布膜について、溶媒の揮発時間ゃ熱ァニール を製膜パラメーターとすることで、その分子配向および結晶構造が精密に制御できることを明ら かにした。しかし、熱ァニールなどによつて得られた高レ、結晶性をもつZnTPP薄膜の表面形状を、 原子間力顕微鏡（AFM)を用いて調べると、分子の凝集が過剰に進み、局所的に大きな結晶ドメ ィンを作ってしまい連続膜が維持できていないことがわかった（Figure la)。