大規模食事記録データの栄養価クラスタリングに基づく食習慣ベクトルBag-of-Foods とその検証

摘要

食事と健康状態には密接な関わりがあり，食習慣の把握が健康診断の上で重要であるのは周知のとおりである．一方，食事は嗜好品の側面も持っており，健康管理の観点では不要な食事をとることも少なくない．このように食習慣は個人の健康状態?性格といった要素が複雑に絡hで形成されるものであり，その分析は健康診断に限らず世間的な消費傾向の調査などでも重要である．近年，携帯端末が普及し食事ログの支援ツールも現れたことで，従来よりも大規模な食事記録データが得られるようになった．以上の背景を踏まえ，本稿では大規模食事記録データを用いた食習慣の分析及びベクトル化について検討する．まず，栄養価に基づいた食習慣の分類が直観に沿った結果を示すことを確認した．これを受け，食習慣のベクトル化手法としてBag-of-Foods を提案し，これが食習慣の表現として妥当であるか検証した．