軽量·マルチカーネルIHK／McKernel：ポストムーア時代のHPCに対するOSからのアプローチ

摘要

ポストムーア時代のHPCシステムではヘテロプロセッサ構成の複雑化、細分化が起こることが予想される。アプリは使用アルゴリズムに特化したプロセッサを組み合わせてパイプラインを構成する。例えば、アプリが疎行列演算と密行列演算のフェーズから構成される場合、システム内にある、それぞれに特化したプロセッサまたはノードを組み合わせてパイプラインを構成して実行を行う。また、システム内に存在するプロセッサの種類は増大していくことが予想される。これは、デファクトスタンダードとなるプロセス技術やマイクロアーキテクチャが登場するまで、様々なプロセッサが登場し、それらはアルゴリズム特化によって共存すると予想されるためである。それぞれのプロセッサに接続されるメモリに関しては、現在起こっているメモリ階層の追加が進hでいき、従ってメモリの種類も増大していくことが予想される。また、アプリにおいてはプロセッサのアルゴリズム特化に合わせてアルゴリズム特化が進むと予想される。なお、ミドルウェアでは、Linux APIへの依存が進hでいるが、この傾向は継続することが予想される。従って、これらのレイヤをつなぐオペレーティングシステム（OS）には、新ハードウェアへの迅速な対応、アプリ特化最適化への対応、Linux APIの提供、の3つが求められると予想される。