非正方領域におけるセキュア分散データ転送を用いる無線センサネットワークでの複数ゲートウェイ配置の検討

摘要

無線センサネットワーク(以降WSN と記す) はセンサを用いて様々なデータの計測を行うノードと，ノードが計測したデータを収集するゲートウェイ（以降GWと記す）によって構成される自律分散型の無線ネットワークである．WSN において，ノード同士やノードとGW間では無線マルチホップ通信を用いて通信を行う．そのため，中継ノードやその周辺のノードによって転送中のデータパケットを盗聴される可能性がある．また，GWがネットワーク中に1 つしかない場合，GWが単一障害点になる．これらの問題を解決するため，セキュア分散データ転送を用いた複数のGW を持つWSN のためのGW 配置法と経路制御手法[1]（以降従来法と記す）が提案されている．ただし，このGW 配置法はノードが配置されるフィールドを2 次元の正方形であると仮定している．一般にWSN が用いられるフィールドは正方形であるとは限らない．そこで本稿では，従来法の利用範囲の拡大のために非正方領域の一つである長方形に対応する2 種類のGW 配置手法を提案し，シミュレーションを用いて実験的に評価する．