電力エリアの空間平均日射強度ランプ変動に関する統計的評価

摘要

本論文では，全国9地域の電力エリアにおけるランプ変動の特性を評価した。その結果，いずれのエリアにおいても春?夏のランプ変動発生回数が秋?冬と比較して多かった。また，エリア全体の面積が小さい北陸エリアでは，日射変動のならし効果が小さいことから，ランプ変動発生回数が多かった。関西エリアと中部エリアを対象として，広域でみた場合の日射変動のならし効果を期待して，連系線潮流の制御によるPVS郡合計出力ランプ変動への対応の効果を評価した。その結果，ならし効果が得られやすいと考えられる両地域で1時間以上の時間差でランプ変動が発生した日のうち，実際に見かけのPVS出力の最大変動幅が減少した日は関西エリアでは60%程度，中部エリアでは40%程度であり，限定的であった。このため，連系線潮流の制御によるランプ変動への対応については，より広域を対象とするなど，更なる検討が必要と考えられる。