硫酸水溶i夜中で形成したポーラス型創陽極酸化皮膜の水素量と変質処理電位の相関性

摘要

Alは中性環境中において不働態皮膜を形成するため，耐食性が高いとされており，さらに，裏表面に陽極酸化皮膜を形成させることでさらに優れた耐食性が得られる．しかし，塩化物イオンを含む水溶液に接触すると皮膜が局部的に破壊され，腐食が深く進行する孔食と呼ばれる現象が起こる．Alと同様の耐食機構をもつステンレス鋼は表面皮膜のCr濃縮が耐食性向上の理由とされているが1），柴田と岡本2），3）は，初めて不働態皮膜中に含まれる結合水を定量し，耐食性と結合水に関連性があることを指摘した．当研究グループではステンレス鋼4）やn5）について耐孔食性と結合水量の関係について調査し，その結見ステンレス鋼の耐孔食性は結合水量が少量であるほど向上し，Tiの耐孔食性は結合水量が多量であるほど向上することを明らかにした．また，硫酸水溶液中で形成したポーラス型刃陽極酸化皮膜をNaCl水溶液中で変質したときの皮膜の健全性と結合水量の相関性を調査し，陽極酸化皮膜の健全性を最大にする最適な結合水量が存在することを指摘したq．さらに，ホウ酸塩緩衝水溶液中でバリア型Al陽極酸化皮膜を形成し，NaCl水溶液中で変質したときの結合水量と孔食電位の関係を調査し，結合水量がほとhど変化しなかったため，孔食電位との間に明確な関連性は認められなかったことを報告した7）．本研究では硫酸水溶液中でポーラス型刃陽極酸化皮膜を形成し，NaCl水溶液中で変質した試料にグロー放電発光分析法（Glow Discharge OpticalEmission Spectroscopy：GD－OES）を用いて，皮膜中の結合水の構成元素である水素の含有量を検討した．?