生体用Ti-6Al－4V/β－TCP複合材料のβ-TCP溶出前後の力学的性質に及ぼすβ-TCP作製条件の影響

摘要

生体材料に必要とされる性質として，強さやヤング率などの力学的性質や耐食性に加え，生物学的安全性が挙げられる。これらのバランスを高いレベルで満たすことから，近年生体内金属材料としてチタン（Ti）およびその合金に注目が集まっている．しかし，骨折部内固定材として使用する場合，生体内金属材料と骨の間の弾性ミスフィットのため，十分な荷重が骨に伝わらず骨再生が遅延する現象が起こることが知られている．この現象を応力遮蔽（Stress shielding）と呼ぶ．応力遮蔽を防ぐた桝ら 治療初期には高い強さとヤング率を持ち，治療後期または治療後には骨とのヤング率差の小さい材料の開発が期待されている．